四国東南部には、古代紀伊半島の山言葉、黒潮海流沿いの浜言葉京都大阪の方言、南九州地方の方言などが混在する。さらに近世になると、関東の坂東武士言葉(阿波弁に混入)、江戸の侍浪人言葉(土佐弁に混入)なども流入した。局地的には、応神王朝の古代河内弁の流入(東洋町~海陽町)や伊予弁の流入(室戸市佐喜浜)なども残存方言から推察される。四国東南部は、まさに方言の「るつぼ」である。 文:原田英祐